2010-12-25
手のひらのみ震える立体視のさなかの人間
耄碌して輪廻の一部を羊に殉ずる
溝の暗がりを髪とし立つ悪ひとり裸足で
鳴く虫にテニスコートからテニスボール
休日は火花で家が好きと大輪
銀河仰ぐ網膜下に黄金の河
メモとの距離求める式日没に浮かぶ
斧の反射に円盤映して振り上げる
保護者席画鋲で埋まりまた慟哭
首から下の急カーブにピアノがあった
催眠術師の振り子も木々に通り雨
田の水の隆起に首が現れる
嬲りの処刑台で重油の空まさぐる女傑
千二千とタイタニック点A炎上
配線くどい蜘蛛錆びた流民の擬態を解く
神は女体で膝まで裸の脳へと火責
めくるページでぶたれて写真集の色情
校内放送響く生存こそ反逆
不安だ半透明の袋に口しかない
邪推すると深海歪む水母の非