二乗千年

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2016-01-01から1年間の記事一覧

2016-12-30

不断の旅行いつ生け花の気は済むのか 斧を頭へ夜明けのビームのパーティーだ 漆黒無限言行不一致里帰り 宇宙・空中の語弊にロミオという装置 眼も裸に葡萄の実と艶めき合う俘虜 明滅する欠片の数億倍の理系 拡大されたメビウスに一家無心の脈 脳にきらきらし…

2016-11-30

固く結んだ紐で妃を塗るだろう 神経切れて数珠飛び散る木を抜けても国 童話の泥に赤青犇めくのか菱めくのか 狐を売り無傷の玉をバザーで買う さもありなん粘液忍ぶ西部劇 カトマンズの空に柳のずれてある 里思う筒に備えの蝋流す 海苔をお盆に家族ならばと敷…

2016-08-24

小屋クレヨンに恥じらい示す老朽化 テープ引きずり出す手パナマの路地から握られ 日陰強く束子が布団を抉る病 油絵の内外に痛ましく甲冑 器物よ我ここに降る古銭の在り方 閉じた片目の方から声マンホールに舌 鉄香り野いちご摘むかも橋の設計 犬の汚れた歯の…

2016-07-09

バトン転がりやすく冷酷なる港へ 他人が卒園する音で寝る乳児の熱 梅抉り深夜に辿り着く義足 岩が鱗を纏い漠然と猫撫でる (ここから2013年) 人体に同じ目玉喜びを助けてくれ 火花散る落馬もある法師の甘い罠 未明の雪静かに駆逐艦彷徨う ナイター延長万年…

2016-03-29

袋提げやもめに星空背負わせに ヨーロッパにカタカナの手紙を送る 捺印するサイコロの目は七つの山 劇場静かオーロラは拳銃を照らす 国土の天に鉄パイプの涙が乾く 鳥浸かる病人五六人の摩擦 飯食うテレビの前膝もっと折ってほしい 旧宅の引き戸にぶら下がる…