二乗千年

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2014-01-01から1年間の記事一覧

2014-12-10

糸引く涙が屈折して悲しい翼になる 来年の日当りへ散らばる貨幣 わたしがわたしであるいびつさ社に持ち帰り検討 王ら率い毛玉が杖を突いて来る ビル五階に灰の色を分からせる光 声と杭の通信を拒否落下速度 異星の異物で刺殺され血を吸い込む嵐 眩むほど死ん…

2014-11-02

フグを刺す階段の凹んだ部分 深紅の蝋だから鳥籠置く館 寝た鳶職に台車叫びひとつひとつ植林 トパーズの蝦蟇鳩尾で温める 瓦礫に瓦礫の淡さが棲む雨合羽を着て 爪の黒い光沢に肉切る女が微笑む 幻肢は整数図らずも弧を描く腰 迷路解く梅の辺りが騒がしい 鬱…

2014-08-24

花と緑の町折り紙に鶴・氷柱 砂利の他は脚立のみ星降る密葬 薄々気付くままにしノイローゼのボクサー 老女目くばせただ一度に伐採を誘う 手が手を引きちぎるとカラスになる地の果て 蜘蛛膜下にずるずる高速進んでいる 日没こちらに速く色とりどりの入り口 推…

2014-08-07

豆挽くと風下に黒いフラミンゴ 不覚に傘強いても屋根はガラス張り ピアノが我が家に来たそして通り過ぎていった 藪吊る八階まで善人の高笑い 或るアパートが滅ぶとは金メッキのガンジス 岩に寄せ友の密会剃る女 雨を忘れている暗い林の中耕し 一軒家未然であ…

2014-06-20

宙に浮く爪痕取り込む鏡の自体 製麺所の上着にプテラノドンのワッペン 薬の時間月に宇宙がのしかかる 迷路の一部がクレーンに吊られ遠い花火 実害はさぞかし梅の殖える雑 乳房と目が入れ替わった母だったが譲る 窓にギロチン月の代わりに銀欠く曇天 磁力に噎…

2014-06-10

イチ・ニとザリガニ来るハサミの量狂いそうだ 象にフックをねじ込んで賞状を飾る 貝を浮かべて島にする取り残される やがて美しいレクイエムが流れる日までの目次 室が病んでも病室かノートばらばら カンガルーの肉を吐き旗を沼に浸す 乾拭きの傷で歪む窓越…

2014-05-05

ビン割る星の瞬き怒号を胸に秘め 裏山のまた裏で血を見る野球 粉よぎる地元は適温碁の駐在 炎近法と言うべきか夢から逃げたくて 鶴が汚い触角つけて山砕く 回っているのは誰と聞く旅寿命は初歩 隣は恨みの髪が長い夜蝋燭融けた 水かき失う図面の厚さよ光の中…

2014-04-14

互い違いに主催/主体へ等号招く 実在は抽選された秋なのか 全意味全個体を浮上し息の区へ 死ぐしゃごしゃと賄賂だパッ壁が腕をちぎる 目測で病気の豚を打ち鳴らす 数えきれぬ指一斉に鳴る出産 消滅のひばりまたシールを剥がす 風が動かぬ虎だったら食われて…

2014-03-30

目隠しで殴る踊り子のいた場所 湿原ふらふら吸う素足で触れられるかも 剥がれてまた指紋があるように五大湖 誰も喜ばないから海に行こう飼われて 土盛ってとある昔を選べない 潰れた鈴が鳴ろうとしている月の底 歯ブラシで食パン磨く朝のつもり 階段上がって…

2014-03-05

トマトジュースみたいな彗星馬を駆る 男子寮に斧「のごとく」を抜く生き墨 呻きがいのある陸に慄然とピアノ 小槌のそうでない部分その小槌で打つ 鳥の文字落ちて気泡となる時雨 寄せてはテトラポッドに凍る目とサイダー シンバルまだ震えている苦渋を語らせ…

2014-02-08

諸説飲む茶屋街は羊羹に翳る 幾多の色を経て争乱の石無色 だらりと首を絞め損ねた蔦受信が終わる 粉一立方メートルで守る栗の鎮座 釘濡らす瞳に唾がよく似合う のけぞるタキシードの胸詰め放題にフォーク 夜景に濡れた華奢な犬の毛と踊る奴隷 宿り合う大木野…

2014-01-23

身を寄せ合う寡婦雪辱を図解に託す 土星から泥が降るわたくし引力です 亀の上を紙飛行機が飛ぶもしもはない 駆け巡る破線は高潔なる局部 飢えに吊る橋大雑把に静まり返る ダンスが聞こえる遠くから原生林から 違う方向を見ているカモミールが効いて 塩ブロッ…

2014-01-14

苔むす庭に壷霞ませておく微震 寂寥と果実諂うまで千切り 闇夜に疼く橋サイレンを飲み干して 眠りの目で吸う白昼と飛び散る壁 脱ぎくるもの胸中にまた昆虫に 戯れ言許す柱ぽつんと草の上 羊の胸に雑種と音座布団刺さる キャロルは生まれてない庭で赤いペンキ…

2014-01-01

スープの具の横に住むリャマ土曜に塗る ケース広い夕闇収まり切って浮浪 領域我が敷地に達し揺れて月明の裡 老人車椅子でバケツ二個とホース運ぶ 切断された部屋にいるブックカバーかけて 日傘以外の金属音派手なマダムから 天秤座に生まれていれば姉だった …