二乗千年

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2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

2010-05-26

神子の代で鐘の巨大な影を置く 気も首も同じ紛れるなら宇宙 結露以前に存在していたのか巨人 生きてと囁き続けるラッパに車輪の跡 屋根に登り雷に絵馬を吊る 祝賀の形態刺々しく皮膚張らずに出荷 果皮丸まる枝先を蝋燭で焙る 刑は無音この先幾許かの空中 低…

2010-05-21

用紙突き破り姪が後頭部に着く 回路の一部として発光する火口のカラス 鉄骨無形の序に猿の手雷鳴を突く 木陰を繰る湯気笑み疲れた老婆の口から 引き戸に引かれくすぶる櫂をしんがりに山河 憂い剥がすタイルに麦降る母船の傾き 光源を横切るイカの習いに血 堀…

2010-05-05

穴に立てた線香手がかりなく煙る 餌取った道具から食べヒヒンと死ぬ猿 鍋を囲む客がいた今は灰の山だ 屑畑に屑蒔く屑その屑食う屑 心臓に貝柱置く陸の民 不定の柵は板チョコ息苦しい一数える 車窓にめりこみ保つ故障したビルとの距離 草抜いて海を呼ぶすぐそ…

2010-05-04

着物が冷たい随分遠くに靡く笹舟 壁焼いて嘘はお嫌いでしょうから 吹雪き明けて紙の破れ目に靴底合う 打ち伏して銀の祭りの幅を書く シャツ山吹内部に柳として背骨 歩く牛の波紋で倒壊する家屋 深層心理に箱空けているそこにメロディー ミを場所にファを暇に…