二乗千年

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2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2009-06-26

枝分かれする階段つまずくなりカーテン 別の森の同じ沼地に降る偽札 星空嗅ぐ足場が連鎖して透明 青だ横断歩道は円錐とねじれる 本押して応答なくば辞書も引く 風に乗る閉じた傘でも逆上がり 突き刺さる鶴の蛹であった釘 亀の尾が省かれて宵のうちは雨 実情…

2009-06-25

空室の対角線が錆びている 台伴う生誕の目を取る細波 開いた本の下がガラ空きで赤い爪先 水を汲もうとしたジャガイモの末尾五桁 絵をちぎり輪にするするする生娘来る 坂の切れ目に老婦上半身フフと揺らし 室内へ穿たれた光ごと幹 虎だった円盤の歯形から下山…

2009-06-09

今日初めて雲を知り割る子を見知らぬ 桶を攫う手刀は空に斬りかかる 休場して貫く無言に麦添える せがまれてもこればっかりは夏の樹木 欠伸のワニから逸れて山道芯ばかりのひと 蝋溶けてと発する峰の遠くに磁界 喉元を歩かれ砂とグルになる 屈む己の人骨に袖…