2009-01-29
モーター持ち冷めるオルガンの上に立つ
抽き出し全部引くと見知らぬ同胞になる
擦れ合う腿に実にしっくりと牛乳配達
鯨の胃に映る蝶らの鱗粉浴びて
沈没して風送る船前世は花
待合室の患者ら白紙を縦に持つ
誰かが足埋めるまで生えているとせず
鉛寄せて球体の側面に置く
薙いでからの会いたさだ草の匂いに噎せ
目隠しをして落ちている鳥に滑る
葉が覆う視界は海耳栓を抜く
港からの鮮やかな廃棄物に鯨
うすぐらい一人称で泣いている
平日の橋を知らなくなれ頭
ひらがな曲げると立っているとても似た靴下
名を脅す雷でもテレビがない小屋
シャツ踏んで手足が出るか確かめる
嘘で塗り固めた髪靡く石膏の丘
噛み砕いた岩を小躍りする村に遣る
己のベルはどこだあらゆる金属を叩く