2009-02-13
茶が冷める簡単な取り引きで待つ空
飲まれた魚の骨回りながら爪先突く
氷河に心臓と腕の一部山脈へ続く
縦に裂かれて茎一方は川になる
油握られては白百合に染みてゆく
正当な沈黙の片側に塔
廃屋に染み込む水ごと蹴破る馬
切り離された根と同居する脳に下肢
脱ぎ捨てた服は銀河だ走り去る
剥離された側の土壁に凝る憤り
橋の切れ目にバイクは雨具を轢き殺し霧
停めた車の俯せを嵌め込む神殿
砂漠に置き去りの白い箱へ靡くキャンプの列
夕摘みの葉にやさしい人さらいの面影
透明な冷蔵庫になる断末魔
音を反射する下着に強い脈拍
嬲るほどに無垢なスクラップを分け棲む
星になる 砂漠と馴染まない油
虜猿ぐつわ噛まされて迷い込む立地