2009-01-03
花一輪が中枢遥かな草原北へ
溺れる蝶降ると表すこともできる
呼吸でふくらむ毛布から不代の溜め息
もしやと言わず何も知らず今日とは思わず
川涸れてやむなく谷折りされた紙
うつむきがましい花本に無地となるまで挟む
津波来るちょうど呼吸に疲れた頃
航路思い出す度徐々に濡れていく
紙を球にした男も飛んでいる
娘の褐色褐色を招き澱む爪
身の丈に浮く帽子とあちらに彷徨う布
煙が束になり目指す湖底の滾る鉄
黙る喉の奥に流転と杖突く老師
第六の指差し指で消せと命ず
まざまざと笑う空室傘ぶつけ合い
片膝との密度を箱は佇み見る
空は青いままビンは滅ぶまでが街
電気の幻映す機器の魚市場に佇む
夕日に触れ焼け落ちる夢遊病者の軍手
宿代に魚舞い散る器は空