2010-09-16
欺いて陶芸教室にも曙光
つがいのサイ渦巻くカザフスタンに傘
花いっぱい詰めた靴下炉心に寄り添う
十字に刻む庭肌で感じつつ崇拝
炸裂する母性を明かりに帰路を這う
不死身に瓦し連ねる大樹にも似た戦ぎ
迷路も本も同じ糸を引き抜けば吹雪
箸乱れる意中に川と水車小屋
エッセイ死共々神ばかりかさばる
犯人はシロツメクサの腹違い
笑う女の肩に太陽というカタカナ
頷きを許さぬ列強蛇腹に従う
希薄な果実を研ぐ贖いに弱い谺
微笑むしゃちほこの絵びりびりに野鳥なすられ
座椅子にも幻肢あり抜いてくれとせがむ
無為も一手旅館の春は鎮魂歌
人妻ねぶる消えるまでこの世から消えるまで
濡れた鳩で書く寄せては返す波だと
空席から星栄えて糸状に燃える
異なる塀にチョコかける蟻からの卒業