2010-08-24
祭壇の残像で舞う手紙の主
レモンはみ出す糸電話にコンロを聞かせている
道さみしくないように轢いてやろうか芭蕉
蛇の目裂き母来る火花として迎えに
背を伸ばし提灯落とすずっと落ちる
城壁を滑落する指ころり独楽
牛乳をわずかに逸れて風呂の栓
霊験にまかせてハサミを踏むまで踊る
傷付くならすべすべの家畜を置いて
濡れた槍が傘立てにそっちは水槽だよ
串刺しのまますくすくと育つ孫
学術濁る腕ガラス越しに割る吹雪
薮から土かけられ一滴に留守預かる
修羅場に木刀あり花籠をゆするため
ふる軋みとなって俵をすり抜ける
ゴムの木の傷這い上がり雲を搾る
池濁るいつか魚を待った傷
吊る指輪に糸を足す電気が住んで
垂直に山の砕きを立つ寝台
草を守る円柱に星から果汁