2010-07-17
泣く真似する子供だという回る卵
折れてギザギザの鉛筆で歴史ティッシュに書き込む
渓谷に桜の花びらダンスで焙る
靴を貫く棒と親善大使の近似
婦女舐め合う歩道に移植された舌
食虫を介して惑星負うならわし
芽を蓋する王冠に崖かける海
足から腕に通す指輪の夫は生きて
気に病む火花が背表紙視界の際をめくる
ぬかるむ神の囁きせいぜい皿を磨く
地割れの端に起立しているエプロン着け
無記名の床に随伴の寡婦のみ映る
書くものがない凍土を羽子板で打つ
パセリをプライバシーごとシュレッダーで刻む
渾身を折り紙に捨て死を呼ぶ鶴
月朽ちて廃バスに倒れ始めるドミノ
亀養う亀死ぬ陸となるぶつかる
耳隠す蟹の甲羅を懺悔に代え
下衆の由緒も正しく煮る湖底の隠れ家
新婦のまま指輪を埋める知らない町