2010-06-15
(ここから2010年)
蝋再度冷え手形は銀父性の関
ポ状に沸騰する鍋この世に人がいてよ
固形物としての氷河期黙祷遮る
野と湯葉の結び目では破裂も仰々しい
教会の奥の振り子で眉間を打つ
蝶の死を以て石油の弾力試す
無声歯茎摩擦音がネガにずれ込む念写
着崩れから人参刺す銅線の括り
死亡説は香るのだ宿から籠へ幽かに
手段のカリブ海を金積んだ船で帰る
火付け役が立つプラスチック製の廊下
歯車と未然に遊ぶ雪のち雲
生まれて育つ時差をほつれるタオルの巻き癖
乱視のもとで子ら鴨を振りかざし溺れる
掴んだレバーごと絵師ぴんと倒れている
感謝の祈りも動きと看做され飛ぶ銃弾
玄米の山を崩しに夜の帳
日除けに足組む農場主へ種子一層の風
空が透けて見えもう寝な気が狂う花火
馬車を止め無重力空間に目配せ