二乗千年

ꂭꄨꂻꋅ

2010-04-13

つくし返す春に押しつぶされた手で

足の数へ促音混ぜる火花翌日に

底を目指し一万年落ち続けるバネ

雨過ぎてなおザーと雛を呼ぶラジオ

部屋にラムネ菓子の袋を貼りしゃがむ

ほだされて別れは羽化せず小夜うねる

寝てつくる暗がりが滝と流れる門

三角定規をベランダに無に犇めき住む

白鳥来て皿の歯形と符合する

正座潤ませ四方八方土しかない

鉄の音し振り返る今へマグマの堰切る

選択範囲に召使いの婆さんの寒い目

青銅のドーナツ置いて巨大な春

街灯に牙と首輪を呼ぶ踊り

魚が割れる面が海の表あ島だ

火災フロアへエスカレーターから今樽

そばを過ぎる稲妻甘い高層の留守

電気スタンドのプラグで高天原にとどめ

女の非業は窓を背にする薄笑い

霧よそう馬の背中に正座して