二乗千年

ꂭꄨꂻꋅ

2010-02-01

邂逅せず沼から切開する野原

旗途切れて流刑の理解を浸す乳房

安らかではない女の手の骨しかし秋晴れ

窓から見える街が内臓まで透けて見える

糸通され浮く牛舎に魚拓差し込む

半身は居住を拒む蜃気楼

深い畑に花びらためて病床刺す

首外して置くこの隙間を逃げてください

水位にある縄へ漆を塗る虐殺

泥しばらく牛で鳴く五と意味を結び

錆びて癒着するベル宇宙からつまむ

鹿の剥製にバーベル海は動いている

狂う山に未遂の胃が据えられて織り機

プロミネンスに尊い鯨の目が開く

咎とは薄くテーブルクロスにして父呼ぶ

星空に筆圧を加え続ける

大通りにオオトカゲという多面体

ロケット爆発晴れの日羊は毛を刈られる

大好きだよって超音波が円盤から未遂

消し炭にベートーベンを聞かせ泣く