二乗千年

ꂭꄨꂻꋅ

2010-01-10

閉じる本唐変木の膣を撫でる

立つ水面に立つ地を背にああ真っ青だ

神ぐるみで隠す回転銅を作る

目を閉じ唸り指差す棚の下に小指

発症者村落に倒れ込み蟻迷わす

家具を捨てた部屋で誰かたちが黙る

和室を苦に飛び立つヘロイン詰めたセミ

机の下は冷たい水が噎せる竹

ルービックキューブに爪を伸ばす悲しい

仲人の長さに切る針金丘に刺す

雨に塞ぐ子供ら美しき読点

馬車の前後壁に埋めて細くなる路地

無地極まる佳作に戦没者の植林

同じ雨ならバケツで受けたが後に即位

風鈴の中に向け多量に花咲く

閉じた目の側から彫る街の完成

一日長い紙を折り畳む

星遮るおもちゃの蛇にある関節

椅子孤立しリハーサルからすべて砂漠

宿命の色って家を焼いてみる