2010-01-01
橋の陰に淀む目として膨らむ石
力で殺す雲焼けて堆く饅頭
縄を縛る縄深くに循環する黴
谷を内蔵する鹿巨大な谷に鳴く
白亜の穴に半身はらりとはだけて火
拳銃の一部に渦巻く水構えろ
ふざけた草で波が立つコンセプトのある岩
飛ぶ鳥が夜分に見境なく痛い
継母来る巨大な三角身につけて
後ろ姿の蔑視長く蝶の寿命超す
うなじみたいな婚礼だ誰のものでもない空
今一度弾痕を嗅ぐ虎の味
怒濤いなす肌靄に溶け残る粉
背にぬるい縁側を来る忍び雨
交差点のない道路を徒歩で匿名に
消し飛び彼岸へ辿り着く新しい指
ヒリヒリと黄色い紐の先に山
笑うぼくが先生の手記に日付けは明日
ざる埋めて面影譲る安い姉
小学校から手拍子石棺に海