2009-03-25
肋骨のあたりに箸を立てて寝る
裂けた鍵であれ空で光を見てきたのだ
林ぐつぐつ煮え始め尽きぬ噂話
(ここから2009年)
中州凍てつく音凍てつく度鳥の形
暮れ返す雲の翳りに坊の膣
花束を吹き消す肺膨らみ透明
女の列一旦は囲炉裏に消える
氷原の饅頭から棘で書く雲
二枚舌の隔たりを嫁ぐ悪天候
そぼ降る道なき子の口から帯生きた分
靴を無くしてから噴煙ときどき雷
流木に耳当て地球空洞説
回るガラガラのように地中へ無数の馬
ダムに落ちた塊がぼくであるとは無知
泥から上は空だよ肘を浸しつつ
髪を切り書庫に櫛立てかけておく
雪も降らない図書館鉋で削られてゆく
手を洗おう不憫な同胞引き連れて
黴後から燃え始め頬を打つ冷たい風