2014-03-30
目隠しで殴る踊り子のいた場所
湿原ふらふら吸う素足で触れられるかも
剥がれてまた指紋があるように五大湖
誰も喜ばないから海に行こう飼われて
土盛ってとある昔を選べない
潰れた鈴が鳴ろうとしている月の底
歯ブラシで食パン磨く朝のつもり
階段上がってすぐ壁の密度たるや建物
島の祭り騒がしく腹を見せる船
脳に揃う歯で味わう欠席のとろみ
色ずくめの丸一日寝る場所がない
半裸の石膏像直下に滝のごとく鉄
あわよくば茎でありたい球に主語
机上の木衰える空澱むより
電源コードを放り出すクリームパスタへ
断層黒ずむ幕どんどん故人のノック
泣く胃の縮尺ハレルヤと捧ぐ霧よ響け
都市の本侵されて蛾を焼く合意
猿の固化始まる新聞より早く
西という字がひしゃげて地下室の黴