2014-02-08
諸説飲む茶屋街は羊羹に翳る
幾多の色を経て争乱の石無色
だらりと首を絞め損ねた蔦受信が終わる
粉一立方メートルで守る栗の鎮座
釘濡らす瞳に唾がよく似合う
のけぞるタキシードの胸詰め放題にフォーク
夜景に濡れた華奢な犬の毛と踊る奴隷
宿り合う大木野鳥の巣で赤い
梁朽ちる七億年後の第五声
台形の傷が鏡の昨日囲む
砂が通るくびれだ手首は体透き通らす
老人雨具のまま顔面に干物を吊る
枕の下の沖に沈黙の写真差し込む
便箋から針きれいな音を見るため
ニワトリ燃えている怒りの複雑な暖簾
噴水ぼくがつくります爆風に押されて
湖追い立て乾かす岸に書生の転び
塩だらけの部屋に火を守る朽ちた両手
ビル密集根元を探す羽の群れ
牧草地八百然として流す