2013-07-12
十字路を設けて砂漠なぐさめる
普通誰と呼ばぬカボチャの種を食べる
樫の木溶かしたからもう目印ないよと姉
宇宙は宇宙として百年後の麦を見ていた
行と万人が圧すこめかみ地上が見えない
ファン掻き回す肖像画前の故人の溜め息
王駆け寄る笊持って空の笊の元へ
蠢く円の後光に毅然と製粉工場
流域は毛深い未解読の猟奇
老将叫び声を上げ二度目の朝弔う
磁場消失森は下降する要素を持つ
卒園日の夜は苦くて古い箱
欧州の広場でフルーツから爆音
波の記号に怒張し党員四十四名
水満ちて痛覚にトマトが実る
筏割る黄土色した太腿で
血は地に霊は杭に黒光りする野草
生け垣燻す掃除機半分ほど服吸い
渇く巡りに絆されて五個下弦の月
文書浸すお湯の濁りに嫁ぐ男