二乗千年

ꂭꄨꂻꋅ

2013-05-30

スカートたくし上げた脛に江戸期のコズミック

住所不定の肋骨回送車両で漱ぐ

時雨迸るばかり枕の下の痛覚

氷のように人格者よ踏め難民キャンプ

十も百も橋川辺のコンテナに架かる

肥満児町の真ん中に町を孕み返す

まだ広いスリッパに石置くさっき

消えた日・冷えた木の中黒は記憶喪失

肌にやさしい解が透けて狐の住処

画像の電波塔がずれ去年から歩く

悪食の本懐強きメッタ刺し

時効の試しに疑う松は鈍く光る

雪砂鉄になってかわす偵察機も降る

損壊したドル紙幣のいつの間に魔導師

嘆く鵜月と細切れに川面で交わる

錠剤を割ると乾いた喫茶店

柚子踏んで光り輝く動物たち

少女の形を切り抜かれた絵は無人を書いた

山脈を傷付けて黒々と太刀

倒れた車椅子の車輪回しに火口から