二乗千年

ꂭꄨꂻꋅ

2013-05-20

喝采華美に飾るドレス五階の吹き抜けまで

来る日も来る日も蟹食い住んで白い家

底なしの空潤ませ麻痺するレイヨウ

馬の跳ねた夕べを巨鳥吸わんと没する

体操選手の肉体に射す架線の影

幽霊の穴は寝姿に四肢を持つ

顔面に樹脂かけて帰らない子等

半ズボンから下を持っていく光線

死を携えやってきたどんなものもモニカ

鵞鳥の群れは目に映らず門構えぬめる

奈落にも火はあるキュウリを焼いている

牛に奥行き取り付ける錯覚見たまま

教授薄く色付き始める薬の壜

撮影の比喩従えば女優の殻

拳銃消えても咎めたてよ逆さ星の盲人

隣人は虎を経ていた鐘が鳴る

土を歩くことすっと肉厚を汚す

扇朱に咲く杭影に渇き癒す

深手に繋ぐ指で嵐の中ピアノ

慟哭する長女食後の先端として