2013-03-07
佳境の畑に空気穴開け碁石の旅
問いに野うさぎ紛れ込む波鉛に染め
乾電池を袖に通して今年病む
年々黒ずむ如雨露よく笑う老婆がいた
統計を外れた目の数暮らしを見る
揉み合う刑監視塔のアラーム鳴るまで
薬の木を離れたくなく前世にする
コアラの腹銀のチューリップが破る
一息のうどんにティッシュねじる指
雫に戸惑うほど夢の菱形の冴え
格闘の限界輝く空は西
レンズは色を離れた凍土が澄むところ
島真っ赤に漂うと深海では婚儀
肉ちょくちょく額縁へと木靴が響くよ
人骨に星形のシール森を呑む
筒の形をした鳥ぼくらが回ると飛ぶ
畑の老人見つかるきらめく公園で
燃える家に数名コントローラーつなぐ
ちぎった紙幣がぴったり合う村のない国
道路以外ない殴るためのありふれた肌