2012-10-11
蛾に見えるまで点を打つ男の羽根
凸として祭壇視野に受動立体
フードふたつ積もると流れてしまう星
湖面を破るとは悲しみを呼ぶ薬缶
網膜状にバクテリア殖えて花粉飛来
場を退く児童は優しくない 宙返りをきめる
無人のテントへ刀鍛冶もう輝いて
牛が運ぶ腕三本闘争心失う
これも定め突き出る農夫の首にメダル
木陰に生卵を握り潰す子供の物乞い
瞼の皺に潜む都心の水へ音
年輪白く木は元通り核落とす
老人凄絶なる唾溜め死に誕生のベル
ラッパ広がり滅茶苦茶に壊れ未来もこのように
看板の裏返済者でピカピカ光る
地図から消えた村へかっこよくカプセルぶつける
ロミオの首って綺麗ねとジュリエットの分身
湖畔の事務所を引き寄せて水底の髭
山水画に竜の骸のある潔癖
そこにあるトランプがめくれない不眠