2012-02-23
見れば見るほど束にしたくなかった花だ
無言ではしゃぐ役者の頭上にちぎれた草
叩けば窓の罅も沈み月が出るだろうか
塀を占める猫の毛並みに北極星
同胞の死に一礼メッセンジャー失踪
教育という鳴き声が名となる沼
人家に眼光灯る夜の支配者フクロウ
貼り紙の奥の雑貨屋水を好む
花を湯に切り落とす外敵の情
陸路の火は消えたか扇の無垢を揺らし
背もたれからドレスの心臓刺す模造の足
自転車二つ三つシアターへ渾身の力
ハイウェイ青く光るメディアのワープ痕
子等不審に動くブランコのない公園
洗濯バサミの解剖充満する商人
神代から続く長い袖に籠る
石の中石より広く白い炎
根がうっすらと水を帯び蜃気楼都市
星の破壊と通信する果樹象に隠れ
昼ふくらむぬらぬらと電気マッサージ機