2011-12-28
女御の多重の裾へ身を音波とくねらす
蛮族倒れて角笛吹く雨は目から殺す
ワッショイワッショイ患者来る鬱の二十九画
耳と同じく青白い受話器から名声
くつくつひどい屈曲だ鳩を撃ち殺そう
人と血が広場で遭遇する昼間
装飾された鞘より苦しい胸を下げる
寒天質の天文台への案内板
キツネの長さは調整され再度暴力
谷は穏当に許す鉄塊のバンジージャンプ
飢えた大口は葉型で花火を脈にとる
フクロウ撫でた腕が担架で運ばれていく
毛皮めくるスキップは滅亡の技
ボウリング場閉店後に自動車から聖歌
海が住む無音を蛸は締め上げる
金歯の老婦太りそこここにホースや水
恨まれても壁だった黙れ黙れと呟く
十年に一度の夜が星の死後
もう生首の男が磨いた刀に映る
ごめんね死んでほしいんだとレストランのステーキ