二乗千年

ꂭꄨꂻꋅ

2009-04-15

窓から鶴と出す首が平行に白い

割れた海に喉貸し数え唄歌う

寝間着に打たれた底板の釘で触る海

桃から引きずり出される自分が見え多重草

壁の綺麗な穴から角出るまでテレビ

袖で縛られた柱の風上から近付く

水門から見える南に群がる鳥

シャボン玉に隠れても三日月となるベランダ

頬張る頬の無表情なる右手に猟銃

指で押した雪の上が限りなく透明

風にまみれた神殿を彷徨う碁石

閉じかけの目という夕日に押される刑

女の袖から出るヒューズも愛すればいいのか

大縄の結び目に鰭なぞと巻く

十字路で落ち合う噴煙から甘み

柱朽ちたも同然四肢を残すのみ

窓際の手が溌剌と浮いている

朝の首を取る舌の舐り単独行動

星形の夕飯遠方から囲む

先人の血と交わる宇宙が立体