2009-03-06
カタリと雪平大嵐も煮るつもりなのか
穴ぐらから砂塵へうねる腕の跡
水を吸う滝よわたしも二枚舌
着ぐるみを脱ぐ風船ら手紙揺らし
微温い海が濡れている小さな町の鐘
灰を積む花壇を少しでも高く
呼吸で呼ぶ遠く悲しい貨物列車
芋蔓に錆びた鉄絡むわたしだ
過ぎ去る風を紙に書いてまっすぐ並べる
彗星の鉄枠光らせて民家
電柱抱くもっとも涙は枯れている
縦に長い床横は花畑の溝
掘削後の感触を手に両足を離す
砂漠に住む空洞らと会う二千歳
靴下から流れ出光射す醤油
同数浮かぶ泥沼から電源コード
降る指もうつくしいマンホールをずらす
華奢に巻かれて象の顎の骨の上で呼吸
乳牛鈍く鉄条網は息もせず
目に森を焼き付け目隠しして出社