2009-01-07
水際と密になりたい麦携え
老婆の笑う腹が泥濘の孕む余地
完全ならばサボテンに話しかけたりしない
苛むと知るまで瓶はガラスのまま
ジグソーパズルからカモメ抜き穴が飛んでいる
廊下の冷たさとは乞うほど台所の明かり
帯刀して風のままに暖簾を裂く音
白剥き出しに茎を伸ばし恥じているとか
虎寝る近くの皿のステンレスに微笑む
歯軋りが聞こえる土砂災害地域
山肌から岩を投げるという以外は村
死すべきマイネームイズはうわごと毛布つかみ
では崇めるからよく見ている庭園にしゃがみ
利口な猿積み上げて山との対比
噴水も菜園も掠めるもの目は濡れ
弦に触れる赤いモーター渦巻きつつ
鴨群がる中洲に取り残されたいが噛む
息を抜けて素通りする鉄パイプの空虚
時に水車定めを理解するも水来る
発端を絶叫で隠す最上階