二乗千年

ꂭꄨꂻꋅ

2012-04-18

蕪という図形が黙るほど嫌い

閻魔の表示が小川でずれている夕日

蟹は仰ぐ地底の春を満たす南

太古のオーロラの記憶で瓶詰め炙る

主婦ぼんやり取り憑く耳裏汽車から見えず

磁石を背中に乗せ四つん這いに石鹸守る

熱い射精を浴びたカラスの重さよ街灯

苦しいこれが息だなんて水玉の樹海

模造紙の真ん中破り見過ごすバス

見知らぬ娘に転換して眠さで腕汚す

赦されて気球がポツンと真昼の谷

事実無力木こりは見る果てしなく見る

土ずれて味わう事故があり豆まき

コントローラー手にこちら見る善意の少年

下放り出すリビングの淡い実爆ぜ

送り出す籠の印はかわいい粉

平和を説き卵は馬車で潰す御者

食い晒しにときめく葉を射す光線の檻

ねじれて頭上が夜道にオオカミ絶えている

流砂の面を滴り骨の層へ涙