二乗千年

ꂭꄨꂻꋅ

2012-01-27

薬物が見せる実揺れ七月死にがち

熾烈を極める右折詩集が音貸すほど

平日へドッと歓喜の段ボール

繭汚れてカサカサ鳴るネジ穴のそば

朝に輝く槍密偵を刺し貫く

箱に白いブーツが入っていて絵本

本の時間ゆうらと曙光香る

柱ほぐれて三つ編みに梵我の音信

シーンをよぎる猫思い出に広い田舎

星空凝るくらいヘドロに蛇生きて

武士の兜をラジオにかぶせてこそ山脈

直訴真四角のマットこの世のお下がり着る

手の届かぬ塀に吸い殻疼く不死

ゆっくりゆっくり明るくなれ外水筒下げて

キャンプファイヤー喪主の耳喪の色に焦がす

帰国子女の寝言は砂堆くデリカシー

地にあり地になく凝結すべくシャッター押す

膝を噛む脳に真横の仏来い

ありとあらゆるメガホンが向く庭日食

服の石ポケットに重いプテラノドン